【心理士監修】恋愛の「追うと逃げる」は本当?心理学から理由を解説

恋愛心理

恋愛では「追うと逃げる」と言われることがあります。

これは心理学的に正しいのでしょうか?

この記事ではプロの心理士が「追うと逃げる」という恋愛あるあるを研究から整理し、解説していきます。

恋愛で「追うと逃げる」は本当?

まず押さえておきたいのは、

追う → 相手が逃げる

という単純な法則が学問的に確認されているわけではない、ということです。

実際には好意を示す → 相手も好意を持つという真逆の心理的現象も知られており、研究されています。

Whitchurchらの実験では、参加した女子大学生は「自分をかなり好きだ」と伝えられた男性を、「平均程度に好きだ」と伝えられた男性より魅力的に評価しました。

つまり好意が伝わること自体が逆効果なのではないということです。

では、なぜ「追ったら逃げられた」というエピソードが多くの人に見られるのでしょうか。

ポイントは追うことそのものより、その行動を相手がどう受け取っているかです。

理由1|「追う」がプレッシャーになることがある

たとえば、まだ一度しかデートしていない相手から「次はいつ会える?」と何度も聞かれたらどうでしょう。

好意を向けられることと、返事や関係の進展を強く求められることは同じではありません。

ここで参考になる心理学の概念が心理的リアクタンスです。

人には誰しも自分で選択をしたいという感覚があります。

その自由が脅かされたと感じると反発したくなる心理がそれです。

対人関係でも、相手からコントロールされていると感じることが反発につながりうることが研究されています。

つまり「追うと逃げる」の一部は、好意ではなくプレッシャーに反応して距離を取っていると考えると分かりやすいでしょう。

理由2|そもそも相手の好意が十分ではなかったパターンも

もう一つ見落とされやすいのが追ったから冷めたとは限らないということです。

LINEをたくさん送る
↓
返信が減る
↓
「追ったから逃げられた!」

という流れがあったとします。

しかし、実際には最初から相手の恋愛感情がそれほど強くなかった可能性もあります。

これは重要です。

「AのあとにBが起きた」ことと、「Aが原因でBが起きた」ことは同じではありません。

そのため「追ったから逃げた」と安易に結論づけないことが重要です。

「逃げると追ってくる」も必ず起こるわけではない

では反対に、こちらが距離を取れば相手から追いかけてくるのでしょうか。

これも必ずそうなるわけではありません。

いわゆる「手に入りにくい人を演じる」戦略は、英語圏の研究では playing hard to get として研究されています。

Daiらの研究によると「手に入りにくい態度を取る戦略」は、すでに相手を追いかけようという意識がある場合には「もっと追いたい」という動機を高めるとのことでした。

しかし一方で相手への好意そのものは低下する場合がありました。

さらに追う気持ちがまだできていない人は「追いたい」も「好き」も両方の気持ちが低下しました。

つまり「そっけなくすれば相手が追ってくる」という恋愛テクニックは当てにならなさそうです。

「追いたい」と「好き」は同じではない

ここはであいらぼとして特に伝えたいポイントです。

Daiらの研究が興味深いのはwanting(欲しい・追いたい)とliking(好き・好ましい)を分けていることです。

手に入りにくい相手だから、

「振り向かせたい」
「もっと知りたい」
「なんで返信が来ないんだろう」

と考えることはあります。

しかし、それがそのまま「この人と良い関係を築きたい」という気持ちと同じとは限りません。

だからこそ「追わせる=好きにさせる」とは考えないほうが良いのです。

大切なのは「追う・逃げる」より相手からも返ってくるか

では好きな人には、積極的にいくべきなのでしょうか。

それとも追わないほうがよいのでしょうか。

私はこの二択で考える必要はないと思います。

見るべきなのは、自分の働きかけに対して相手からも関係を築こうとする行動が返ってくるかです。

たとえば自分からLINEを送ったら相手からも話題を振ってくれる。

デートに誘ったら、相手からも別の日を提案してくれる。

会話をしたら、相手からも自分について質問してくれる。

こうした双方向性を見るほうが、「3日返信を遅らせれば追ってくる」といった小手先のテクニックより、よほど二人の関係を考える材料になります。

追いすぎているかも?と思ったら確認したい3つ

「もしかして自分は追いすぎている?」と思ったら、駆け引きを始める前に次の3点を確認してみてください。

  • 自分ばかり連絡していないか:相手からも連絡や質問があるかを見る。
  • 相手が断れる余地があるか:「絶対会おう」ではなく「都合が合えば行こう」など、選択できる誘い方にする。
  • 不安を消すために追っていないか:返信がない不安から何度もLINEしているなら、すぐ行動せず少し時間を置く。

これは「追わない人になろう」という話ではありません。

好意は伝えつつ、相手にも選ぶ余地を残すという相手のペースを考えた戦略です。

恋愛において怖いのは「自分の感情優先で恋愛を進めてしまう」ことです。

そもそも、こっちから追っているという状況になっている時は自分を優先してしまっていることが多いです。

そういった態度や姿勢が、相手に対して「逃げる」という選択を取らせているのかもしれません。

まとめ|恋愛は「追わせるゲーム」にしなくていい

恋愛で「追うと逃げる」という現象が起こることはあります。

しかし「人は追えば逃げ、逃げれば追ってくる」という普遍的な心理法則があるわけではありません。

好意を向けられることで好意が高まる場合もあれば、強く迫られることでプレッシャーを感じる場合もあります。

また、わざと距離を置く「追わせるテクニック」も効果が一貫しているわけではありません。

だから、

「返信を遅らせたほうがいい?」
「一度冷たくしたほうが追ってくる?」

と駆け引きばかりを考える必要はありません。

大切なのは自分から一歩近づいたとき、相手からも一歩近づいてくるかを見ること。

恋愛は一人で追い続けるものでも、相手に追わせ続けるものでもありません。

お互いに少しずつ近づける関係なのかを見ることが、相手との関係を考える一つの手がかりになります。

そういった相手の動きを考えられる姿勢を持つことが、結局は一番の近道なのです。

参考文献

Dai, X., Dong, P., & Jia, J. S. (2014). When does playing hard to get increase romantic attraction? Journal of Experimental Psychology: General, 143(2), 521–526. 

Houle, L., Barker, E., & Pronin, E. (2023). Playing Hard-to-Get: A New Look at an Old Strategy. The Journal of Sex Research, 60(3), 368–383. 

Whitchurch, E. R., Wilson, T. D., & Gilbert, D. T. (2011). “He Loves Me, He Loves Me Not…”: Uncertainty Can Increase Romantic Attraction. Psychological Science, 22(2), 172–175. 

港・マオ – Kong Mao

公認心理師・臨床心理士。出会いや婚活を中心に500人以上の相談に携わってきた経験と心理学の知見をもとに、マッチングアプリや結婚相談所の選び方、プロフィール文作成やデートの攻略法など、出会いから成婚までまるっと役立つ情報を発信しています。

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