【心理士監修】価値観が合うとは?カップル研究から考える相性

恋愛心理

「恋人にするなら価値観が合う人がいい」「結婚するなら価値観が同じ人がいい」とよく言います。

でもそもそも「価値観が合う」とは具体的にどのような状態なのでしょうか?

趣味が同じこと?金銭感覚が近いこと?考え方が同じこと?

検索上位の記事では、金銭感覚・結婚観・生活スタイルなどの「確認すべき価値観」を並べるものが多く見られます。

この記事では、プロの公認心理師・臨床心理士である筆者がカップル研究をもとに「価値観が合う人」を考えます。

先に結論を言えば、何もかも同じ相手を探す必要はありません。「自分にとって重要な部分が大きくズレていないか」を見ることが大切です。

そもそも「価値観が合う」ってどういうこと?

「価値観」という言葉はかなり曖昧です。

恋愛では、

「趣味が同じ」
「笑いのツボが同じ」
「休日の過ごし方が似ている」

といったことまで「価値観が合う」と表現されることがあります。

しかし好きな映画が同じことと結婚後のお金の使い方が同じことでは、二人の生活に与える影響はかなり違います。

実際、恋愛関係の類似性を調べる研究では、性格、態度、興味、宗教など、さまざまな領域が別々に扱われています。

つまり、「価値観が合う・合わない」を一つのものとして考えるより、

「何について合うのか?」

まで分解して考えたほうが分かりやすいのです。

「似ているカップルほど幸せ」と単純には言えない

果たして自分とそっくりな人を選べば恋愛はうまくいくのでしょうか?

研究を見ると、それほど単純ではありません。

191組のカップルを対象に性格の類似性と関係満足度を調べた研究では、実際の性格の類似性と満足度の関係について結果は一貫していませんでした。

また別の研究では、「自分とパートナーは似ている」と感じることが関係満足度に小さいながら独自に関連していました。

したがって「似ていれば似ているほど相性がいい」という単純な法則を導くことはできません。

大切なのは「自分にとって重要な価値観」が合うこと

ここで面白い研究があります。

Lutz-Zoisらは、交際中の大学生247人を対象にパートナーとの性格・態度・興味・宗教などの類似性を調べました。

すると宗教や興味については、単に似ているだけではなく、本人が「ここは似ていてほしい」と重要視している場合に、類似性と関係満足度との関連が見られました。

ここは「価値観が合う人」を考えるうえで重要です。

例えば、

休日は恋人と一緒に過ごしたい

休日は別々でも全然平気

という二人がいたとします。

二人とも「そこは別に合わせなくてもいいよね」と思っているなら、大きな問題にならないでしょう。

逆に、

結婚したら子どもが欲しい

子どもは持たない人生を希望している

そして双方にとってそれが譲れない価値観なら、関係を続けるうえで重要な違いになります。

つまり違いがあるかよりもその違いが二人にとってどれくらい重要なのかの方が大事になるわけです。

趣味が違う=価値観が合わない、ではない

婚活やマッチングアプリでは、「趣味が違うから合わないかも」と思うことがあります。

でも趣味と価値観は分けて考えたほうがよいです。

たとえば、

彼:休日はキャンプ
彼女:休日は映画

だったとしても、

「お互い一人の時間も大切にしたい」

という考え方が一致していれば、趣味の違いが問題にならない可能性があります。

逆に二人とも映画好きでも、

「休日は絶対に恋人と過ごしたい」

「休日くらい一人で過ごしたい」

なら生活の中では調整が必要になるでしょう。

「何をするか」が違っても、「何を大切にしているか」は似ていることがあります。

プロフィール上の共通点だけでは、そこまでは分かりません。

「実際に似ている」と「似ていると感じる」も違う

さらに恋愛研究では、

actual similarity(実際の類似性)とperceived similarity(似ていると感じていること)を分けて考えます。

これはかなり重要な違いです。

実際の回答を比較するとそれほど似ていなくても、本人たちは「私たちは似ている」と感じていることがありますし、逆も往々にしてありえます。

過去の研究では、実際の類似性以外にパートナーと似ていると認識していることが関係満足度と関連することが報告されています。

だからといって「似ていると思い込めば幸せになる」という因果関係が証明されたわけではありませんけどね。

価値観が違ったら「相性が悪い」と判断するべき?

私は、すぐにそう判断する必要はないと考えます。

大切なのは、

①どこが違うのか
②その違いは自分にとって重要か
③二人で調整できる違いなのか

を分けることです。

例えば外食について「私は月4回くらい、僕は月1回くらいでいい」という場合なら「月2回にしてみよう」と調整できることもあります。

しかし、結婚・子ども・住む場所など、一方が譲れば大きな犠牲になるテーマもあります。

すべての価値観を同じ重さで扱わないことがポイントです。

婚活では「価値観が合いますか?」より具体的に聞こう

「休日って一緒に過ごしたいタイプですか?」

「お金は旅行や趣味にも使いたいタイプですか?」

「仕事と家庭ってどんなバランスが理想ですか?」

「結婚したらどんな生活がしたいですか?」

など、具体的な生活について話してみると、相手をより理解できますよね。

ただし初対面から質問攻めにする必要はないです(というかやめてください)。

デートを重ねながら、お互いについて少しずつ話していけば十分です。

「価値観チェック」のように相手を採点するのではなく「この違いについて二人で話せるだろうか?」という視点も持ってみてください。

まとめ|「価値観が合う人」は、何もかも同じ人ではない

恋愛や婚活では「価値観が合う人がいい」とよく言われます。

しかし、カップル研究を見ると、二人が似ていれば似ているほど必ず幸せになる、というほど単純ではありません。 類似性と関係満足度との関連は、何について似ているのか、本人がその類似性をどれだけ重要だと考えているのかなどによって変わります。

だからこそ「どれくらい同じか」よりも、「私が大切にしていることを、この人と一緒に大切にできそうか?と考えてみてください。

趣味が違っても構いませんし、休日の過ごし方が少し違っても構いません。

違いが見つかったときにお互いに話し合い、尊重し、必要なら調整できる関係なのか。

価値観の一致率を100%にすることより、自分にとって何が重要なのかを知ること。

それが「価値観が合う人」を探す第一歩です。

参考文献

Lutz-Zois, C. J., Bradley, A. C., Mihalik, J. L., & Moorman-Eavers, E. R. (2006). Perceived similarity and relationship success among dating couples: An idiographic approach. Journal of Social and Personal Relationships, 23(6), 865–880. 

Decuyper, M., De Bolle, M., & De Fruyt, F. (2012). Personality similarity, perceptual accuracy, and relationship satisfaction in dating and married couples. Personal Relationships, 19(1), 128–145. 

Furler, K., Gomez, V., & Grob, A. (2014). Personality perceptions and relationship satisfaction in couples. Journal of Research in Personality, 50, 33–41. 

Kowal, M., et al. (2026). Partner idealization and perceived partner similarity predict relationship quality across 74 countries. Journal of Research in Personality. 

港・マオ – Kong Mao

公認心理師・臨床心理士。出会いや婚活を中心に500人以上の相談に携わってきた経験と心理学の知見をもとに、マッチングアプリや結婚相談所の選び方、プロフィール文作成やデートの攻略法など、出会いから成婚までまるっと役立つ情報を発信しています。

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