【脈ありサインは本当?】科学的に判断可能か?心理士が解説

恋愛心理

「目がよく合うから脈あり」「返信が早い女性は脈あり」「男性が質問してくるのは好意のサイン」――恋愛について検索すると、こうした「脈ありサイン○選」がたくさん出てきます。

検索上位の記事でも、返信速度・質問・絵文字・視線などを脈ありサインとして紹介する形式が目立ちます。

では、本当に相手の行動から恋愛感情を見抜けるのでしょうか。

この記事では心理士の筆者が「脈ありサイン」を心理学研究から検証します。

そもそも「脈ありサイン」は科学的に分かる?

もちろん多少の「傾向」については判断できる部分もあります。

たとえば2024年の研究では、男女60人がそれぞれ4回ずつデートを行ってもらい、240回のやり取りを分析しました。

その結果、お互いに目を合わせる時間が長い相手ほどその後の相手選択と関連していました。

しかし別の研究では、アイコンタクトができる条件とできない条件を比較したところアイコンタクトの有無そのものによる恋愛的魅力の差は確認されませんでした。

つまり「目が合うことと恋愛感情は相互関係する場合がある」とは言えても「目が合うということは脈あり」という一貫した法則ではないということです。

この「関連」と「判定」を分けることが、脈ありサインを考えるうえで非常に大切です。

人はそもそも「好意のサイン」を見抜くのが得意ではない

さらに興味深い研究があります。

Hallらは初対面の男女52組(104人)に10~12分間会話してもらい、一定数には相手に対して好意のサインをあえてわざと示してもらうよう指示しました

その後「自分は相手に好意を示したか」「相手は自分に好意を示していたか」などを調べました。

結果、それを正しく見抜けた割合は男性36%、女性18%でした。

反対に、相手が好意のサインをとっていなかったケースについては80%以上の精度で判断できています。

研究条件が限られているため、この数字をそのまま日本の恋愛全般に当てはめることはできませんが、「人間は相手からの恋愛的アプローチを簡単に見抜ける」とは考えないほうがよさそうです。

なぜなら、笑う、質問する、目を見る、会話を続けるといった行動は、恋愛感情がなくても普通に起こるからです。

「笑顔」「質問」「返信が早い」だけでは脈ありと断定できない

ここで、ネットでよく見る脈ありサインを考えてみましょう。

「返信が早い」

これは好意があるからかもしれませんし、「もともと返信が早い人だから」かもしれません。

「よく質問してくれる」

これもあなたに興味がある可能性があります。

しかし、

「会話を続けるために質問している」
「もともと聞き上手」

という可能性もあります。

「よく目が合う」も同じです。

実際、アイコンタクトについても研究結果は単純ではありません。

つまり問題なのは、

行動 → 恋愛感情

という一対一の対応だと考えてしまうことです。

同じ行動でも、理由はいくつも考えられます。

自分が好きだと「相手も自分を好き」に見えることがある

もう一つ注意したいのが、脈ありサインを見る自分自身にもバイアスがあることです。

Leeらは1,226人が参加したスピードデート研究で、お互いの性的関心と「相手が自分にどれくらい性的関心を持っていると思うか」を調べました。

その結果、相手の関心についての判断には、判断する側自身の関心を相手に投影する傾向が関係していました。

もちろん「性的関心」と「恋愛的な好意」は同じではありません。

ただ、この研究から考えると、

「相手が笑ってくれた」
↓
「もしかして脈あり?」
↓
「やっぱり自分のこと好きなのかも」

という判断には、自分自身の期待が混ざる可能性があることは覚えておきたいところです。

だからこそ、「好きな人の行動を客観的に採点すれば気持ちが分かる」と考えるのは難しいのです。

「脈ありサイン」より確実なのは関係を少し進めてみること

たとえば、気になる人が毎日LINEを返してくれるとします。

そこで「返信が早いから脈ありかも」と考え続けても、相手の気持ちは確定しません。

それより、「今度このカフェ行ってみない?」と小さく誘ってみるなど、関係性が分析できるような行動を起こす。

「行きたい!」と言ってくれるかもしれませんし、予定が合わなくても、「その日は無理だけど来週なら空いてるよ」と返してくれるかもしれません。

もちろん、これだけでも恋愛感情が確定するわけではありません。

しかし、曖昧な仕草を延々と分析するより、相手が無理なく断れる形で少し関係を進め、その反応を見るほうが新しい情報は増えます。

これは心理テクニックで相手を試すという意味ではありません。

相手の意思を尊重しながら、二人の関係を確かめていくということです。

まとめ|「脈ありサイン○選」で人の気持ちは決められない

心理学では、アイコンタクトなど恋愛的な関心やその後の選択と関連する行動は研究されています。

一方で、人は相手からの好意を正確に見抜けるとは限らず、自分自身の関心が相手の気持ちの判断に影響することもあります。

だから、

「返信が○分以内なら脈あり」
「目が○回合えば脈あり」
「この仕草をした女性はあなたが好き」

といった判定には慎重になったほうがよいでしょう。

科学的に考えるなら、見るべきなのは一つのサインではなく、複数の行動・継続性・双方向性・その人との普段の違いです。

そして最終的に相手の気持ちを知るには、サインを100個集めることより、相手の意思を尊重しながら少しずつコミュニケーションを取ることが必要です。

脈ありサインは「答え」ではなく、相手との関係を考える一つの情報。

そのくらいの認識でいた方が、ネットの情報に一喜一憂しなくて済むのではないでしょうか?

参考文献

Hall, J. A., Xing, C., & Brooks, S. (2015). Accurately Detecting Flirting: Error Management Theory, the Traditional Sexual Script, and Flirting Base Rate. Communication Research, 42(7), 939–958. 

Hoffmann, A., et al. (2024). Sharing and Receiving Eye-Contact Predicts Mate Choice After a 5-Minute Conversation: Evidence from a Speed-Dating Study. Archives of Sexual Behavior, 53, 1081–1093. 

Lee, A. J., et al. (2020). Sex Differences in Misperceptions of Sexual Interest Can Be Explained by Sociosexual Orientation and Men Projecting Their Own Interest Onto Women. Psychological Science, 31(2), 184–192. 

Luo, S., & Zhang, G. (2009). What Leads to Romantic Attraction: Similarity, Reciprocity, Security, or Beauty? Evidence From a Speed-Dating Study. Journal of Personality, 77(4), 933–964. 

港・マオ – Kong Mao

公認心理師・臨床心理士。出会いや婚活を中心に500人以上の相談に携わってきた経験と心理学の知見をもとに、マッチングアプリや結婚相談所の選び方、プロフィール文作成やデートの攻略法など、出会いから成婚までまるっと役立つ情報を発信しています。

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